舞って女の子と中一で同じクラスになって以来ずっと仲が良かった。 
よく見ると顔は可愛いんだけど、飄々としてるっていうか芸人キャラっていうか 
そんな感じだから男友達も多いんだけど、あまり異性の対象にはなりづらい娘だった。 
素材は良いのに、自分を女として着飾ることに照れがあるのかしらんけどそんな感じ。 
でも顔は上戸彩。 
 
だから俺も最初は男友達と同じ感覚だったんだけど、いつの間にか好きになってた。 
気付いてからはやばかった。 
舞の一挙一動にイチイチ「こいつってこんな可愛かったんだ。」って思うようになった。 

でも既に親友って感じだったから、なんか恋愛対象とすることに凄い罪悪感もあった。 
だから今更告白とか出来んかった。 

そんで高校も一緒のとこに行った。 
どちらからともなく「当然一緒のとこいくよね?」って空気が俺達の間にあった。 
俺が運動部に入ると、「ふ~ん。じゃ、あたしマネしよっかな。一回やってみたかったし」 
そこで知り合った田島先輩。 
自他とも認めるイケメン。 
当然モテてた。 

舞もよく「田島先輩やばいよね~。」っと俺に言ってきて、その度に嫉妬して 
「じゃあ告ってきたら?」って心にもないこと言ってた。 
「はぁ?無理無理。あたしなんか相手されないって。」って舞は謙遜してたけど、 
正直俺の学年で、顔面偏差値が釣り合いそうなのは舞くらいだったと思う。 

高校に入って『女の子』って感じが色濃くなってった舞は本当に可愛かった。 
中学の時はそれほどでも無かった男子の人気が一気に爆発した感じ。 
でも表立ってモテル感じじゃなくて、特に中学が一緒だった男は 
『舞?・・・まぁ可愛いけど。さ』って感じで素直に認められない感じ。 
でもやっぱりぶっきらぼうな感じは相変わらずで、化粧も殆どみたことないし、眉毛も整える程度。 
着飾らないキャラもそのまま。 

周りの女子が限界ぎりぎりまでミニスカにしてるなか一人だけ普通に下に短パン履いてたりとか。 
へっへっへって笑いながら「あたしのパンツなんて見たくないでしょ?」って言ってた。 
「うんこ付いてそうだもんな。」とか言いながら、本当はすごい見たかった。 
貯金全部あげてもいいから、正直見たかった。 

そんなこんなで田島先輩も卒業してったある日。 
俺と舞が二年になって、秋くらいだった。 
OBを交えて食事会をすることになった。 
日曜の真ッ昼間。 
当然俺達はアルコール無しだったけど、OBの何人かは飲んでた。 
絡まれるのが嫌で、俺は舞はたまたま二人で固まってたんだけど、 
そこに「よぉ。相変わらず二人とも仲良いな。」と田島先輩がやってきた。 
「出来が悪い弟がいると大変ですよ。」と舞。 
田島先輩も相変わらず水嶋ヒロそっくりで、大学生になったことで 
さらに垢抜けた感じになった。